平成29年3月 悠久の大義

  • 投稿日:2017年 3月27日

春風にのって

ほのかな花の香りが漂うころとなりましたが、皆様方におかれましては、ますますご健勝のこととお慶び申し上げます。
先日、岩国の地にサン・リフォーム2号店である岩国店を開設することが出来、2月25日・26日のオープンイベントでは沢山のお客様のご来店を賜り、誠にありがとうございました。心より感謝申し上げます。
私の故郷ということもあり、旧友や縁故ある方々に多数お越しいただき、お祝いや励ましのお言葉を頂き、喜ばしく心温まる時間を過ごすことが出来ました。10年前の創業時の初心を忘れることなく、"先義後利"の経営理念を貫徹すべく岩国店の壁面に大きく"悠久の大義に生きる"という私の志を提示させていただいております。
悠久の大義とは、"商"が"商道"という道を歩むようになった頃に、日本古来の武士道精神から派生したものです。
私にとっての"悠久の大義"は商人としての道だけではなく、私の人生そのものの道であり、志であります。"悠久の大義に生きる"。それは、正しく生きる、美しく生きる、"大和魂"のこととして捉えています。商道においては、50年後、百年後、私達の商が正しい商であった、世の為、人の為に成る企業であると言っていただける様な倫理、道徳に富み、地域社会に貢献できる企業であることだと思います。
10年を節目に新たなる10年を迎えるに当たり、志を高く持ち、社員一同精進して参ります。
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6年目の3・11を迎えて

私は6年前の2011年4月号の"ありがとう"で次の様な文章を書かせていただきました。

『この非常時の今、日本人として思うこと』として、「二十五歳の女性、遠藤未希さんの死」について書かさせていただきます。『運命は選択できないが運命に対する姿勢は選択できる』彼女の行動はまさしくこの言葉に尽きると思う。宮城県南三陸町の町役場危機管理センターの職員の彼女は、津波が押し寄せてくる中、「早く逃げてください。六メートルの波があります」と最後まで放送を続け、結局津波にのまれた。住民を救おうとマイクを放さず目前に津波が迫る恐怖と闘いながら、公人としての使命を全うすべく二十五歳という若さで最期を遂げたのです。
多くの住民は彼女の振り絞る声を聞いて無事、高台に逃れた。
海外の新聞には彼女の記事が次の様に掲載されている。
『日本が地震による大災難を乗り越えて立ち上がるのは時間の問題だ。円高が維持されているからでもなく、日本政府が莫大な資金を供給しているからでもない。混沌の中でも落ち着きと節制を失わない市民の精神が生きていて、住民の為にマイクを最期まで放さない公人精神が残っているということ。これ以上の災難克服意志を示す証拠はない。遠藤さんの場合、町役場の末端職員などという考えはなく、住民の安全の責任を負った最高の公職者のように行動した。』又、他の海外メディアのコメントで、『日本人がこうした状況下で米国の様に略奪や暴動を起こさず、相互に助け合うことは全世界でも少ない独特の国民性であり社会の強固さだ』又、地震当日の東京において切迫した状況にもかかわらず、コンビニやスーパーなどの施設は通常通り営業した。そこにできた長蛇の列に住民は整然と並びきちんとお金を支払って買物をした。鉄道機関は夜通し運行した。大混雑の中で乗客はお年寄りや妊婦に席を譲ったというこの様な当り前の行動は実は世界に誇るべきことなのだ。
 アメリカのメディアは「有史以来最悪の地震が世界で一番準備され訓練された国を襲った。犠牲は出たが、他の国ではこんな正しい行動はとれないであろう。日本人は文化的に感情を抑制する力に優れている」と。又、「日本国民が自制や自己犠牲の精神で震災に対応した様子は広い意味での日本の文化を痛感させた。日本の文化や伝統も米軍の占領政策などによりかなり変えられたのではないかと思いがちだったが、文化の核の部分は決して変わらないのだと今日、思わされた」と、私はこの様な記事を読んだ時、『日本は変わる、変わらなければならない』と強く思った。近年の日本は若者の引きこもり等後ろ向きの傾向、公より個の優先、日本の経済文化の下降、政治の困迷の中、この震災が日本国家と日本民族の底力の再発見を促し本来の日本文化に基づいた新しい目的意識を持つ日本人を創造すると確信する。震災を契機に我が国が世界に向けて模範を示し新たな地平を拓き、我々残された日本人は無念にも災害で亡くなられた方々の霊に報いる生き方をする事が我々の使命だと思う。

しきしまの 大和心の ををしさはことある時ぞ あらはれにける   明治天皇 御製


あれから6年、平和な日々が続くおかげなのか、公に対しての問題意識の希薄さからか、無念にも亡くなられた方々の霊に報いる生き方をしているといえるのか、今の日本を嘆かわしく思うのは私だけでしょうか。
美しい国日本の構築の為に、一燈照隅 万燈照国。



平成29年1月 悠久の大義

  • 投稿日:2017年 1月 6日

新年明けましておめでとうございます。

旧年中はひとかたならぬご厚情を賜り、誠にありがとうございます。皆様方におかれましては健やかなる新春をお迎えのこととお喜び申し上げます。本年も変わらぬご愛顧を承ります様よろしくお願い致します。
 サン・リフォームを創立致しまして早十年目の正月を過ごせ、十周年を迎える事が出来ました。無事十年の商いを続けてこれましたのも「一期一会クラブ会員」の皆様方のご支持、ご指導がありました故の賜物であると確信致しております。誠にありがとうございます。  十年前起業するに当たり、企業存続の第一義は、地域社会への貢献であり、リフォームを通じて、世の為、人の為に成りうる企業に成長出来るかどうかであると思い、お客様の幸福を願い、日々邁進して参りました。されど我々の不徳の致すところ故にご迷惑をお掛けすることもありました事を改めてお詫び申し上げます。一人でも多くのお客様に幸福がお届け出来る様社員一同今一層の精進を重ねて参る所存でございます。
 今春二月二十日に岩国店をオープンさせていただく運びとなりました。
 岩国は私の故郷であり、生まれ育った町であります。岩国の出店は起業当初からの長年の夢でありました。生まれ育てていただいた故郷に少しでも恩返しが出来ます様、精一杯がんばって参ります。オープンイベントは二月二十五日、二十六日を予定しております。どうぞお立ち寄りいただけます様、心よりお待ち申し上げます。

堅忍不抜(けんにんふばつ)

 一九一三年、一人の若者がフランスのプロヴァンス地方の、普通の人なら足を踏み入れないような山道を歩いていた。海抜千三百㍍のそのあたりはどこまで行っても草木もまばらの全くの荒地だった。
 若者は三日ほど歩き続け、かつて数戸の人家があったらしい廃墟に辿り着いた。若者の水筒は昨夜から空っぽ。水を探したが、一つあった泉は涸(か)れ果てていた。
 さらに歩くこと五時間。遥(はる)か彼方(かなた)に立っている小さな影が見えた。近づくと羊飼いの男だった。周りには三十頭ほどの羊が寝そべっている。男は皮袋から水を飲ませてくれ、高原の窪地にある小屋に連れていってくれた。そこには深い井戸があり、水はそこから汲み上げているのだった。
 男はどっしりとした石造りの小屋に住んでいた。そこここに修理の手が加えられ、以前は廃屋だったことが分かる。男は無口だったが、温かいスープをふるまってくれ、若者が泊まることを承知してくれた。食事が済むと男は小さな袋からドングリを広げ、丹念に選り分ける。完全な形をしたドングリを百粒選び出し、そこから床(とこ)についた。
 翌朝、若者はもう一日泊まらせてほしいと頼み、仕事に出掛ける男についていった。小さな谷間で羊を放すと、男はさらに山道を登っていく。二百㍍ほど登ったところで男は地面に鉄棒を突き立てて穴を掘り、その穴に一つひとつドングリを落としては土を被(かぶ)せていく。
「このドングリはカシワの木の種だ。三年前からこの荒地にカシワの木を植えている」
若者の質問に男はそう答えた。  まず十万個の種を植えた。そのうち、二万個が芽を出した。その半分がだめになっても、残る一万本のカシワの木がこの不毛の地に根付くことになる、と。
 年齢を聞くと、男は五十五歳だという。以前は農場をもち、家族と一緒に暮らしていたが、突然一人息子を失い、間もなく奥さんも後を追った。男は孤独の世界に籠(こ)もるようになった。だが、何かためになる仕事がしたいと、不毛の地に生命の種を植え付けることを始めたのだという。
「もう三十年もすれば一万本のカシワの木が育つわけですね」
若者が言うと、男は言った。
「もし神様がわしをあと三十年も生かしてくださるならばの話だが......。その間ずっと植え続ければ、いまの一万本なんて大海のひとしずくになる」
 翌日、若者は男と別れて旅立った。

 その翌年、第一次大戦が始まり、若者は五年の歳月を戦場で過ごした。戦争から戻ると、若者はまた羊飼いを訪ねていった。一九一〇年に植えたカシワの木は十歳になり、若者の背丈をとうに越していた。その素晴らしい光景に若者は言葉を失い、ただ林の中を歩き回った。  林は三つ区域に分かれ、長さ十一㌔㍍、幅三㌔㍍に及んでいた。それはこの無口な男がなんの技巧も凝らさず、手と頭でつくり上げたものだ。涸れていた小川にとうとうと水が流れ、小さな牧場や菜園や花畑が次々に生まれた。
 ただこの変化はとてもゆるやかに現れたので、気ぜわしい日常を送る人びとを、驚かすことはなかった。豊かに育った若木を見ても、大地と自然のほんの気まぐれのせいと考えて、感動する者はなかった。一人の男がつくり上げた見事な作品だとは、誰にも想像できなかった。
 一九二〇年から、若者は一年をおかず男を訪ね続けた。親交が深まるにつれ、また自身も年齢を重ねるにつれ、若者は気付いた。男にはなんの迷いも疑いもないように見えたが、どんな大成功の陰にも逆境に打ち勝つ苦労があり、いかに激しい情熱を傾けようと勝利を確実にするためには、時に絶望と闘わなければならない、ということを。
 ある年、男は一万本ものカエデを植えたが苗は全滅、彼は絶望の淵(ふち)に立たされた。カエデを諦(あきら)め、一年後にブナを植え、これがようやくカシワ以上に育った。この類い希(まれ)な不屈の精神は全く孤独の中で鍛えられたのだ。
 男は第一次大戦中と同様、第二次大戦中も黙々と木を植え続け、一九四七年、バノンの養老院で安らかに八十九歳の生涯を閉じた。
 フランスの作家ジャン・ジオノ作『木を植えた男』に描かれた男の物語である。
「古(いにしえ)の大事を立つる者は、ただ超世の才を有するのみにあらずして、また必ず堅忍不抜の志あり」──と蘇東坡(そうとうば)は言っている。
 古今東西、人類の歴史には堅忍不抜の人生を生きた多くの先達の姿がある。それらの人たちの生き方に思いを馳(は)せ、私たちもまた自らの人生を全うしたいものである。







平成28年9月 悠久の大義

  • 投稿日:2016年 9月21日

秋の気配も

次第に濃くなり穏やかな好季節となってきました。皆様方におかれましてはおかわりはございませんでしょうか。  弊社におきまして、8月1日より創立10年目を迎えております。下松に拠点を置かせていただき、周南、光、そして故郷である岩国の方々の皆様の暖かいご支援のおかげをもちまして、無事迎えることが出来ました。本当にありがとうございます。感謝申し上げます。〝先義後利〟という経営理念の下、〝お客様に喜んで頂ける企業〟〝地域社会に貢献できる企業〟を目指して、研鑽、精進して参ったつもりではありますが、未熟者故、まだまだご満足の頂ける商いが出来ていないと思っております。社員一同〝世の為、人の為となる企業〟を目指して参る覚悟でございます。どうぞこれからもより一層のご支持を賜ります様、宜しくお願い致します。  恒例の〝秋のわくわくリフォーム祭〟を10月1日、2日に開催させていただきます。日頃のご愛顧への感謝の心を込めて、社員一同おもてなしをさせていただきたいと思っております。皆様御誘い合わせの上、お越しいただければ幸いでございます。

瀉瓶(しゃびょう)という言葉が

 あります。かめの水をそのまま他のかめに移し入れるという意味です。転じて、師は己の一道を通じて体得したものすべてを弟子に注ぎ込む、弟子もまた一滴もこぼさぬように、これを受け止める、師と弟子の真剣な息が呼吸して道は伝承されるということで、思いを伝承する究極の姿を凝縮した一語であります。
 古来多くの先哲が自らの想いを後進に伝えるべく、数多くの言葉を遺してきました。吉田松陰先生も「士規七則(しきしちそく)」の前文でそのことを述べています。
〝冊子を披繙(ひせん)せば、嘉言(かげん)林の如く、躍々(やくやく)として人に迫る〟先哲の言葉を記した書物を繙(ひもと)くと素晴らしい言葉が林のように連なり、躍動するかのように迫ってくる、ということです。幼少期から書物を愛した松陰先生ならではの言葉です。
「士規七則」は松陰先生が叔父の子の玉木彦介の元服に際し、立派になってほしいという願いを込めて創案したもので、それは時代を越え、人物を導く指針となっています。松陰先生の思いは、時空を超えて後世に伝承されたと言えます。
「士規七則」は、要約すると三つに帰すと、松陰先生はおっしゃっています。一は志を立てること、二は友を択(えら)ぶこと、三は聖賢の書を読むこと。この三つの実践によって、人は磨かれるとおっしゃっています。
「士規七則」の中から、今を生きる私達に特に大事と思われる三つを紹介させて頂きます。

一、凡(およ)そ生まれて人たらば、宜(よろ)しく人の禽獣(きんじゅう)に異なる所以(ゆえん)を知るべし―人として生まれたからには、人と鳥や獣との違いがどこにあるかを知り、人としていかに生きるかを考えなさい。 一、人古今(こごん)に通ぜず、聖賢を師とせずんば則ち鄙夫(ひふ)のみ。読書尚友(しょうゆう)は君子の事なり―歴史に通じ、古今の聖賢を師として学ばなければ、いやしい人間になってしまう。君子は古(いにしえ)の書物の中に立派な人を見つけて師としなければならない。
一、徳を成し材を達するには、師恩友益(しおんゆうえき)多きに居る。故(ゆえ)に君子は交遊を慎(つつし)む―徳を身に付け能力を伸ばすには、師の導き友の助けが要る。だからどういう人と付き合うか慎重でありなさい。

 今日一日は、永久に戻らぬ一日です。素晴らしい未来のために悔いを残さぬよう先哲の言葉を胸に刻んで、今日一日を精一杯生きましょう。感謝。





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