平成27年5月 悠久の大義

  • 投稿日:2015年 4月24日

緑に包まれた

清々しい季節を迎え、
皆様方におかれましては
益々ご健勝のこととお慶び申し上げます。

日本人だと

いうことを実感する機会は多々ありますが、国歌である「君が代」を斉唱する時がそのひとつです。
オリンピックの表彰式やサッカー日本代表の試合で「君が代」が聞こえてくると
日本人であることを意識される方も多いと思います。

「君が代」は歌うのは少し難しい曲です。
他国の国歌とは違い短調を基調としたメロディでレの音で始まり、
四七抜き音階という五つの音階の日本音階です。
西洋音階に慣れた耳には馴染みがないです。メロディが日本の音なのです。
歌詞と旋律が一致していない雅楽的な曲ということです。

歌詞においては、『君』とは天皇のことなのか、別の王朝であるのか、という議論や
『君』は貴方という意味だったという解釈が存在します。
それはこの原歌が10世紀平安初期の古今和歌集の賀詞にあり、
この時代の『君』の解釈は天皇をさすとは限らないという点にあります。
そして後世に伝わるにつれ解釈が変わってきたという側面があります。
『君』が何を意味するかということについて曖昧なのです。
ちなみに国歌の歌詞としては世界最古なのです。
古今和歌集という時代と歌の内容から、この歌詞は恋の歌だという説もあります。
『君』とは大切な貴方という意味です。恋歌が国歌というのもとても素敵なことだと思います。

他国の国歌の意味を見てみると、
「圧政にあらがう我らのもとに、血まみれの旗を...」フランス
「砲弾が赤く光を放ち宙で炸裂する中...」アメリカ合衆国
「立て奴隷となるな、血と肉もて築くよき国...」中国
「武器を取れ、武器を取れ...」ポルトガル
「たとえ敵に蹂躙されようとも、我らの武力で奪い返す...」ポーランド
どれも勇ましい歌詞で戦い、血、武器、戦争の匂いに満ち溢れています。
世界ではこれが国歌なのです。戦場や革命時につくられ軍歌が国歌になったケースが多いようです。
国歌を歌うことで国家を意識し、戦うために勇気を鼓舞するのです。

そもそも日本では明治以降、西洋国家が帝国主義の下にアジアに植民地を展開した際に
その西洋国家勢力に対抗するためにまとまる必要性があり国家という概念が出来たのだと思います。
それ故、国歌の意味と必要性が諸外国とは異なるのです。

『君が代』には戦いと血の匂いを感じません。そこには直接的には戦いの言葉はありません。
多くの国が戦いの歌としての国家であるなか、
日本は「恋歌」が国歌だとすると素敵なことだと思いませんか。
もちろん恋歌だと断定もできませんが、
ひとつの言葉に様々な意味を重ねられる多様性が日本語の良さではないでしょうか。
「いつまでも長く平和でありますように」と平和の歌と取るのもよし。
「愛する人の命がいつまでも続くように」と恋文と取るのもよし。
わずか32文字の中に様々な思いが込められていて、
それを感じることが出来ることがすごいことだと思います。
私はこの美しい日本の国歌に敬意と誇りを持つことが大切なことなのだと思います。





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